大腸がんは予防できる

大腸がんは悪性疾患の1つです。ベトナムでは部位別のがん罹患者数において、女性で2位、男性で4位を占め、2018年で発見されたがん疾患の中で10%を占めています(Globocan, 2019)。

大腸がんは腺腫(adenoma)という良性のポリープががん化して発生するものと、正常な粘膜から直接発生するものがあります。病気の進行は比較的緩慢ですが、ポリープの~30%ががんに繋がると言われています。

早期の大腸がんは臨床的な症状がほとんどなく、発見が遅れるケースも多くみられます。

大腸がんの早期発見には、定期的に便潜血検査あるいは大腸内視鏡検査が有効です。内視鏡によるポリープのスクリーニングと切除により、大腸がんの発症リスクを大幅に減らすことができます。大腸がんのリスクがある人すなわち、多数のポリープがある人、大腸がんに罹患した家族がいる人、下痢や便秘が続いている人、肥満、喫煙者、飲酒をする人、食物繊維より赤肉(牛・豚・羊など)や加工肉(ベーコン・ハム・ソーセージなど)をよく食べる人は40歳から85歳まで1年に1度のスクリーニングが推奨されています。

早期発見は効果的な治療を導き、かつ治療にかかるコストを削減できるため、生活の質を維持することができます。現在、国立チョーライ病院・国際医療福祉大学ドック健診センター(HECI)が提供する日本式の人間ドックは、大腸がんの早期発見と予防に有効です。

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